国内と世界のERP市場シェアは依然混沌。ERPのクラウド移行が進む。業種カットのERPの普及が進むと予想

2年前に書いたヒットコラムの続編を書いてみる。前回の調査データは「Top 10 ERP Software Vendors and Market Forecast 2017-2022」だったが、今回はその3年後の「Top 10 ERP Software Vendors, Market Size and Market Forecast 2020-2025」である。

引用元:https://www.appsruntheworld.com/top-10-erp-software-vendors-and-market-forecast/

ERPというアプリケーションの中には知名度のある製品もあるが、実はどのベンダーも3割のシェアを取っていない。前回の調査と同様に、トップ10の合計シェアで約1/3という状況であり、かなり長期に渡って混とんとした状況にある。

これはどういうことかというと、全世界で標準的に使用されているERPがないということである。その背景にあるのはお客様のニーズに合わせたERPが選ばれているということであり、業種や規模に合わせたERPが大勢を占めているということだと筆者は予想している。

たまに汎用的なERPという言葉を聞くこともあるが、汎用的な業務を行っている会社というのはないはずだ。それぞれの会社でそれぞれのビジネスにあった業務が日々改善されていて、同じ業界の中では似たような業務があったとしても業種を超えると同じ業務はほぼないはずだ。それゆえに、汎用的なERPというのは「何でもできるということは何もできないのと同じ」という意味に近いと私は思う。

実際に私がSAPに在籍していた時は数億円を超える契約をしたりしても、大半がカスタマイズの金額であり、導入後もカスタマイズ部分のバージョンアップコストが大きいことが多かった。業種に特化したERPであれば、カスタマイズ費用が抑えられやすく、バージョンアップのコストも軽減されやすいのである。結果として各業種ごと規模ごとに強いERPが大量に存在するのである。これが、ERP市場が混とんとする原因であると考える。

この傾向はますます、増長していくと考えている。

その理由には国内のERP市場動向の話だ。

以下の図を見てほしい。この図は、鍋野敬一郎氏のコラムで紹介されている図である。詳しい解説は鍋野氏のコラムを読んでほしい。とても詳しく解説されている。

(図表1,国内ERP市場はSaaS型クラウドERPが2022年に約半分へ)

このグラフによると2025年にはERP市場の中でオンプレミスは1割を切るという市場予測である。IaaSを含めても緩やかに減少をしており、伸びているのはSaaSのERPである。

多くの方の記憶にあると思うが、クラウドが登場したときに「これからはソフトウェアは所有する時代から使用する時代になる」と唄われていたはずだ。そして、その認識は今でも続いている。そして企業は所有するERPにはカスタマイズしやすいが、使用するERPには高額なカスタマイズをしにくいものである。結果的に大きなカスタマイズが発生したであろうIaaSとオンプレミスのERPは緩やかに減少し、カスタマイズが少ないと予想されるSaaSがかなり伸びているのである。

ここでERPを検討するお客様に伝えたいことがある。ERPを検討するなら自社の業種での実績が高く、その業種用のERPソリューションを持っているベンダーの話を聞くべきと思う。商社、卸売り業、IT企業の皆様におかれましては、この分野での実績が多く、独自のソリューションを持っている日商エレクトロニクスはお役に立つのではないかと思う。興味がある方は以下をご覧の上、是非、セミナーにも参加するとよいと思う。

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