ビジネスリーダーがRPAを気にしている理由

今月も海外のRPAコラムを意訳してご紹介します。興味がある方はご覧ください。


ここ数ヶ月、ロボットによる業務自動化(RPA)がビジネスプロセスの専門家の間で注目されています。RPAとは運用を改善し「ビジネスの未来である自動化」にさらに近づくためのツールである、と多くの企業が考え始めていますが、RPAとは何であり、厳密にはどのような利点があるのでしょうか?

想像してみてください。面倒な業務調査(オーバーヘッドカメラ、クリップボード、ストップウォッチなどをご存じでしょう)、従業員のミス、過剰な従業員、あるいは組織のスローダウンとコストアップを繰り返す多くの作業が混在しているところを。これらの共通点は何でしょうか。まず第一に、これらは組織が競争する上での大きな制約です。良い面を見れば、これは実は良い知らせです。なぜなら、ロボットがこれらすべての問題を解決できるからです。ロボコップやiRobotのルンバではありませんよ。RPAのことです。

ロボットによる業務自動化(RPA)は、トランザクションの処理、データの操作、応答のトリガー、そしてデジタルシステムとの通信を行う既存のアプリケーションを従業員が記録して解釈できるようにする技術の応用です。この自律型ソフトウェアは、人間の従業員と同じようにルールベースの作業に従うようにプログラムされています。

RPAの実装が成功すると、コスト削減や、精度、コンプライアンス、生産性の向上につながります。RPAの利点は否定できなくとも、世間の組織はこれらのプロジェクトを最重要エリアで実装できているのか疑問に思いますか? 常にできているわけではありません。特に、業務そのものや、業務の逸脱、業務変化の可能性を理解していない場合はできていません。

RPAプロジェクトを成功させる4つの手順:

  1. 業務、逸脱、変化を理解する:プロセスディスカバリーがデータに基づく視点で現状の業務の状態を明らかにして、重要な洞察を得ます。
  2. 業務を調整する:冗長な基準や競合する基準を最小限に抑えます。
  3. RPAソリューションを実装する:ロボットのルールとプロトコルを構築し、ワークフローの実行をプログラミングします。
  4. コンプライアンスを処理する:RPAソリューションが目的の成果を達成し、業務が設計どおりに実行されることを保証するために、継続的に業務の監視と調査を行います。

「UPOM」と覚えましょう(Understand:理解、Plan:計画、Organize:編成、Manage:管理)。

RPAは、正しく使用すれば、繰り返し作業を非常に効果的に自動化できます。しかし業務自動化前の状態をベンチマークしたりマッピングできない場合、あるいは業務内容が不明で誤った業務が自動化されてしまった場合は、RPAの効果は現れず、役に立ちません。

新しいシステムを実装する前に、新しいシステムが満たすべきビジネス上のニーズと要件、そしてその実装で利用可能なリソースを理解する必要があります。ビジネス業務の自動化を最大限に生かすためには、その業務がビジネスのニーズに沿っていることを保証する必要があります。自動化プロジェクトの有効性を測定できるようにするためには、組織のビジネス業務の現状を元に開始点を測定する必要があります。これには、業務改善計画の作成(業務の各手順、そのタイミング、そして業務全体を完了するために必要な時間の特定)が含まれます。さらに、他の大規模なビジネス変更プロジェクトと同様に、このプロジェクトに従業員を引き込むことが、変更に対する恐れをなくし、賛同を得るために重要です。例えば、毎日仕事をしている彼らからアイデアを取り入れることでも、成功するチャンスが上がります。

RPAでROIを測定しましょう。

驚くべきことに、Institute for Robotic Process Automation and Artificial Intelligence(IRPA AI)のプログラムディレクターであるChristopher Surdakによると、多くの組織は、従来の測定では導入コストが正当だと証明できないためにコストの正当化とROIの立証に苦労しています。IRPA AIが見積もった平均値によれば、RPAを導入すると20~25%のコスト削減がもたらされますが、単なる金銭的な影響以上のものを測定する必要があります。

金銭面以外でRPA導入のROIを測る基準は3つあります。

生産性:従業員がある作業に費やす時間と、ロボットが同じタスクを完了する速度を比較します。

品質:RPAの導入前と後でアウトプットの正確さを測定します。

コンプライアンス:RPAの導入前と後でコンプライアンスを測定します。

RPAによる真のROIは、どのくらい効果的に自動化が業務に適合しているかに依存しています。投資コストをあまりかけずに業務を単純化したり改善できる場合でも、急いで大きな変更プロジェクトに突き進み、洞察なしにRPAを実装してしまわないことが重要です。優れたRPAは、価値の高いエリアを見つけて改善します。変更を加える最善の方法は、ビジネスにとってどの変更が必要で、クリティカルで、重要であるかを知ることです。そして次にやるべきことは、現状の業務を理解することです。

※本コラムは以下の文章を意訳したものです。

引用元 https://blog.abbyy.com/why-rpa-is-on-every-business-leaders-mind/

※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。

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このコラムを連載いただいている日商エレクトロニクスでは先駆者としてRPAの自社導入にも取り組んでおり、経営企画部、財務経理部、人事総務部の3部門でRPAをGRANDITE連携で導入し、ROI 590%と770万円のリターンを実現しています。そして成功事例の分析資料も以下のセミナーレポート内で公開しています。興味がある方は是非ダウンロードください。こちらにはガイドライン的なものも書かれています。

【レポート】ERP勉強会 次世代ERPに求められる条件
https://erp-jirei.jp/archives/1059

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