今月の用語解説「サプライチェーン排出量」

カーボンニュートラルやSDGsなど、これからの私達の経済活動において、地球環境の観点を取り入れることは必須となりました。その中で、今回は「サプライチェーン排出量」について解説していきます。

目次

サプライチェーン排出量

地球温暖化の対策のため、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)によって、平成18年4月1日から、温室効果ガスを相当程度多く排出する者には、温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられました。

温室効果ガス排出量は、生産量や使用量などの「活動量」と、活動量あたりの排出量にあたる「排出係数」を掛け算することで算定できます。

(参考:温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度 – 環境省

この制度により企業単体での排出量の把握ができたのですが、これを更に進めるために、事業者だけの排出ではなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量という考え方が出てきました。これがサプライチェーン排出量です。まさに、サプライチェーン(原材料調達、製造、物流、販売、廃棄など)をまとめた形の合計排出量で地球環境に配慮しながら経済活動を行っていくための大きな動きで、国際機関「GHGプロトコルイニシアチブ」が策定した基準でもあります。

サプライチェーン排出量には3つのスコープが定義されており、この3つの排出量の合計がサプライチェーン排出量となります。

  • Scope1
    • 事業者による温室効果ガスの直接排出
  • Scope2
    • 他社から供給された電気や熱、蒸気の使用に伴う排出
  • Scope3
    • Scope1とScope2以外の間接排出(事業者に関連する他社の排出)
      • 原材料、輸送、廃棄、人の移動、製品の使用による排出など

この中で、Scope1とScope2はわかりやすいですが、Scope3についてはどこまでが該当するのかが分かりづらいです。

実はScope3は更に15のカテゴリに分類されています。

詳細は、環境省のScope3 15のカテゴリ分類とは をご覧いただくとして、いくつか紹介していきます。

  • 購入した製品・サービス
    • 原材料の調達、パッケージングの外部委託・消耗品の調達など、多くのケースで該当する分類
  • 輸送、配送
    • 上流でのカテゴリでは調達物流や出荷物流が、下流でのカテゴリでは倉庫での補完や小売店での販売など
  • 出張
    • 従業員の出張
  • 雇用者の通勤
    • 従業員の通勤

このように、15のカテゴリに細かく分類されており、一見するとどうやって算定するのかという疑問に行き着きます。

全てを取引先に確認するという方法もありますが、膨大な手間がかかってしまうため、簡易的な算定方法もあります。これは環境省のドキュメントに記載されています。

(参考:サプライチェーン排出量算定の考え方 – 環境省

このサプライチェーン排出量を把握することで、サプライチェーン全体を見たときにどこの排出量を優先的に削減する必要があるのかがわかりますので効率的な対応ができます。更に環境省によると、他事業者との連携強化によって環境負荷を下げる施策の選択肢が増えることや、企業の評価基準として対外的に情報開示をおこなうことでの社会的信頼性向上についてもメリットとして挙げられています。

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