コロナ禍でのERPプロジェクトの進め方と注意点

コロナ禍に陥った2020年春頃から弊社が手掛けてきた基幹システムのリプレイスプロジェクトのほとんどが、いま続々と本番稼働を迎え、安定稼働しはじめています。

基幹システムのリプレイスプロジェクトは、要件定義から始まり、基本設計、開発、結合テスト、総合テスト、受入テスト、本番稼働といったフェーズを踏みます。これらのすべてを完了するまでには、おおよそ1年ほど要することが一般的です。

プロジェクトの進行中は、打ち合わせを頻繁に行ったり、受入テストのフェーズに入ればお客様のオフィスに常駐してシステムの操作方法の研修の実施や質問に対応したりといったコミュニケーションが必要な場面が多々あります。

しかし、従来であれば対面で行えましたが、コロナ禍においては非対面で行うことが前提となります。

本稿ではこの1年間で、弊社が経験したプロジェクトで感じた非対面型のプロジェクト進行の方法とメリットとデメリット、その解決策についてまとめました。

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■非対面型のメリットはコスト削減と行き違いの防止

非対面で進めるには、WEB会議システムや社外ファイル共有システムなどのツールの活用は欠かせません。これらのツールを活用してきたこの1年を振り返ってみると、ツールが無かった時代で非対面を実現することは不可能だったと実感すると共に、対面のみでのやり方と比べてメリットと感じる点が多いと感じています。これは弊社だけでなく、お客様にとってもメリットがあるものだったようです。

<メリット>

①打ち合わせにかかるコストの削減

訪問側からすると、移動時間が無くなったこと、配布資料の印刷をする必要がなくなったことといったわかりやすい効果がありました。一方、受入側からすると、会議室の手配や当日の案内、お茶出し、見送りといった時間を削減することができます。

また、予想外に大きな効果だったのは、会議室の収容人数や移動時間を考慮する必要がないため、キーマンの予定を押さえやすく、打ち合わせがスムーズに進んだことです。

②打ち合わせ内容の記録と共有が容易

WEB会議では録画・録音ができるため、メンバーへの共有が容易です。また、時間が経つと内容があいまいになりがちですが、後から見返すことができます。

さらに、通常であればシステムの操作教育として数回に分けて対面研修を行っていましたが、動画で提供できるようになったことで、講師を手配する回数が減りました。

お客様視点から見ると、担当者が都合のいいタイミングで動画を確認できるようになっただけでなく、新人教育でも動画を利用できるため、つきっきりで教育する必要がなくなります。

③複数拠点や複数ベンダー間のコミュニケーションロスの防止

基幹システムは一拠点での使用に留まらず、複数の拠点で使用されることや、複数の外部システムとの連携が必要なことがあるため、複数拠点のメンバーや複数のベンダーとの調整が必要になります。

これまでは関係者全員を集めるのは物理的な問題から困難でしたが、WEB会議であれば一堂に会することが容易です。関係者を集めて認識合わせできるため、コミュニケーションロスが起きにくくなりました。

■非対面型のデメリットは信頼関係の構築と拘束時間

一方でデメリットが存在していることも事実です。ここからはデメリットと弊社が行っている解決策についてまとめます。

<デメリットと解決策>

①打ち合わせ相手の理解度や反応がつかみにくい

WEB会議では小さな画面で相手のことを確認するため、人数が多くなるほど相手方の反応や理解度を窺うのは対面と比較すれば困難で、認識にずれが生じる可能性があります。

特にプロジェクトの初期段階では関係性が構築できていないことが多いため、リスクは高くなります。

<解決策>

・プロジェクトの初期段階は、現場を知り、信頼関係を構築するために顔を合わせてコミュニケーションを取り、信頼関係が構築できた後は非対面に移行する。

・要所のみ対面としたり、主要メンバーとのコミュニケーションは対面で行い、その他のメンバーとはWEB会議で行ったりといった対面と非対面を使い分けるハイブリッド式にする。

②参加が必須ではない打ち合わせに組み込まれる

WEB会議は気軽に会議の招集ができてしまうため、従来であれば優先度が低く、参加しなくても問題がなかった会議へ招待される機会が増加します。そのため、気づいたら1日の大半を会議で過ごしてしまったということがよくあります。このような会議が多くなると、次第に自分には関係ないと判断したメンバーは話を聞き流して別の作業をしはじめ、本来あるべき姿からどんどん逸脱していきます。

また、作成できるルーム数に制限がないWEB会議システムを利用している場合、テーマやタスクごとにルームが作成されていることがあります。この場合、何か問題が発生すると、WEB会議システムですぐに呼びかけ、問題解決まで対面と遜色ないほど密着したやり取りが可能ですが、一方でタイミングや関係性の高さを問わず話題に組み込まれることになりますので、休憩時間が取りにくく、考える時間が失われやすくなります。

<解決策>

・WEB会議の開催ルールを事前に取り決め、メリハリのある打ち合わせを設定する

■さいごに

コロナ禍でのプロジェクト進行にはさまざまな課題がありますが、最終的に行き着いたのは対面と非対面を場面に応じて使い分けるという形です。対面だけ、非対面だけといったやり方より、効率のいい進め方ができるようになったと感じています。

この1年、お客様も弊社も「コロナ禍のプロジェクトの進め方」に慣れておらず、想定通りに進行できるか不安を抱えながらのプロジェクトでしたが、お客様のご協力もあり、遅延せずに完結できました。

特に遠方の拠点にいるお客様の担当者やパートナーとの打ち合わせが容易になったことは、進め方の選択肢の幅を広げ、プロジェクト進行においてとても効果的な結果を生んだと考えています。

この1年で得た知見をもとに、今年度以降もより良いプロジェクトの進め方を提案し、プロジェクトのゴールを目指して、お客様とパートナーと共に取り組んでまいります。

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