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「エコシステム」で進化するERP(GRANDIT 高橋昇氏の「レガシーERP」からの脱却第12回)

■ITの歴史と「エコシステム」

突然ですが「エコシステム」という言葉をご存知でしょうか?
元々は動植物の食物連鎖や物質循環といった生物群の循環系のことをいいますが、最近ではITの分野で耳にすることが多いと思います。

ITの分野では、異なる業界や製品がお互いに連携することで作り出される、新たな価値や収益構造として表現されることが多く、インターネット時代以降から「エコシステム」という言葉を使うことが増えています。

さかのぼってインターネット時代以前のIT業界は、国内でも海外でも大手のIT企業が中心となって、大規模システムやサービスを提供していました。IBMや富士通、日立といったハードウェア・ベンダーが、主に大企業など巨大な組織の基幹業務用などに使用される大型コンピュータ(メインフレーム)を提供。ある意味独占的にIT産業の中核を担ってきました。

その後、WindowsやUNIXなどのオープンシステムの台頭やクライアントサーバモデル (C/S) というシステム構成やグラフィカルユーザインタフェース (GUI)といった急速な技術の発展によるダウンサイジングの進展で、その競争力を保てなくなってきたことから、IT業界でもビジネスモデルの大きな変化が押し寄せてきたのです。

インターネット自体が、世界中の様々な企業がそれぞれのアイディアや技術を持ち込み、コンピュータとネットワークの組み合わせにより、様々なサービスを提供するインフラ基盤としたことから、インターネット時代以降は「エコシステム」という言葉が自然と広まったのだと思います。

■企業の進化を支える「エコシステム」

そして近年では、成長している企業の多くが独自の「エコシステム」を構築しており、企業の変革や成長を促すために必要不可欠な要素ともいわれています。

例えば「アップル」は、パソコン→AV機器→スマートフォンと製品の範囲を拡大しながら、「音楽・映像配信サービス」「アプリケーション配信サービス」といった様々なサービスを提供することで、顧客やパートナー企業を巻き込んだ「エコシステム」を構築しています。

現在では製品販売に加えて様々なサービス提供を行うことが、顧客がアップル社のハードウエアを購入する際の強い動機にもなっており、このアップル社の「エコシステム」は自然界の生態系のように顧客層や参加企業を柔軟に変えながら進化を繰り返しています。

そして、同様にGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)と呼ばれる企業も独自の「エコシステム」を構築し、進化を続けているといえます。

 顧客ニーズの多様化や市場ニーズの急速な変化や少子高齢化が進む現在、多く企業で中長期的な“成長戦略”の策定が強く求められています。一方で、大企業でもスピード感を持って新たな技術やサービスの開発を行い、市場を創造していくのが困難な現在。新しい市場を生み出すようなイノベーションを起こすには、多様なプレーヤーがそれぞれ得意とする領域の技術やノウハウ、知見を持ち寄るエコシステムが有効です。

(参考)総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)

■進化するERPと「エコシステム」

 多くのERPパッケージ製品は、単一企業が開発、販売していますが、「GRANDIT」は、ユーザー企業系の情報システム会社を中核としたコンソーシアム形式で作り上げた、国産ERPパッケージです。実際に海外製ERPの導入で大変な苦労を経験した事業会社系のIT子会社が集まり、最初から日本企業のために最適化されたERP製品を作ろうと、コンソーシアム(「エコシステム」)を結成。日本の商習慣や各業界の業務内容に精通した各社の知見を結集して誕生した製品。

 大手商社や製造業、情報通信業、社会インフラなど、さまざまな業界の企業グループから参加しているパートナー企業が持つ、それぞれの業界に対する深い知見を持ち寄ることで、製品は継続的な進化を続けています。GRANDITのコンソーシアム活動も15年以上継続し、その規模も大幅に拡大。現在は13社がプライムパートナーとして参画。製品の販売や導入を担うビジネスパートナーなどと合わせて、約60社から成る一大エコシステムを形成しています。

【GRANDITコンソーシアムの事業スキーム】


高橋 昇 プロフィール
GRANDIT株式会社 マーケティング室 室長

1985年 総合商社系情報システム会社(現インフォコム株式会社)へ入社。商社向けシステム開発部門に所属し、繊維・化学品・食品関係などのシステム開発やC/S・WEBシステム、ミドルウェアなどのアーキテクチャー選定・導入を担当。2003年10月 インフォベック株式会社(現GRANDIT株式会社)にて、次世代ERPコンソーシアムによるERP「GRANDIT」の開発に立ち上げ当初より参画。パートナー営業・製品開発の責任者としてERPシステムの提案活動・導入支援に従事。2018年よりマーケティング室 室長として、営業・製品開発をあわせたマーケティング施策の企画立案とプロモーション全般の責任者を担当。 GRANDIT公式サイトはこちら



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