今月の用語解説「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」

以前の【商社業界ニュース】熱帯びる再エネビジネス。商社は「調整力」に相次ぎ参戦

の記事でこんな話題がありました。

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、総合商社がエネルギーマネジメントシステム(EMS)やバーチャルパワープラント(VPP)を活用したビジネスに乗り出している。

ここで登場してきた、エネルギーマネジメントシステム(EMS)について今回は説明します。

エネルギーマネジメントシステム

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、家やオフィス、工場、施設などのエネルギー(電気、ガスなど)の使用状況をITを使って見える化し、管理、最適化をするシステムのことを言います。

ちなみに、エネルギーマネジメントというのがエネルギーの消費を把握、管理して最適化していく方法になります。

しかし、エネルギーの使用量を人力で把握するというのも現実的ではないため、ITを使ってシステム化することをエネルギーマネジメントシステムと呼ぶのです。

Japan Association of Energy Service Companies(JAESCO)によるとエネルギーをマネジメントするというのは大きく以下の4つの要素からなると言います。

  • 実績把握(見える化)
  • 分析
  • 改善提案
  • 対策の実施

PDCAのような考え方でこのサイクルを回していくことにより、継続的にエネルギーマネジメントを行っていくということです。

この要素の中でも主に「実績把握(見える化)」を担うのがエネルギーマネジメントシステムです。状況がわからないうちは対策の取りようがないですからね。

エネルギーマネジメントシステムの背景

エネルギーマネジメントシステムが必要になってきた背景についてはいくつもの理由があります。

1.経済的背景

経済的な背景として、まず東日本大震災の影響で2011年以降電気料金が値上がりをしていることです。

資源エネルギー庁のデータによると、このように記載がありました。

東日本大震災以降、電気料金は上がっています。原油価格の下落などにより2014~2016年度は低下しましたが、再び上昇傾向です。

電気料金の値上がりは特に企業のコストに大きく影響するところですし、原油価格など他の要因でも変動があるため、企業としてはしっかりとマネジメントしていくことが必要になります。

更に、日本におけるエネルギー自給率が他OECD諸国と比べても低い水準にあることも無視できません。限られた資源をどう使っていくのかがより重要になってきていますので、マネジメントが必要です。

2.国家、経営におけるエネルギーの考え方の変化

更に世界的な環境配慮の動きもあります。

現在、脱炭素、2050年カーボンニュートラル宣言などを日本国としても世界に公表しています。これは2050年までに日本国内での温室効果ガスの排出をゼロにする社会を実現するというものです。

SDGsによる持続可能な社会の実現にもつながる動きですし、RE100などの事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標にしている国際的イニシアティブなども存在しています。

こういった外部環境の中で、企業経営においてもエネルギーの見える化と効率化のサイクルを回していくことは必須になってきています。

日商エレクトロニクスではシステムと業務の両方を理解し、サービスを提供しています。IT技術で企業の課題を解消していく「専門家」です。特に商社やIT系の企業の業務や基幹システムに関しての課題や興味がある方は、こちらのページをご覧ください。

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〜以下、プロフィール〜

南波真之(なんばさねゆき)

新卒でWordPressのトップ企業に入社し営業、マーケティング、ディレクションを経験、その後SaaSサービスを開発、提供する会社にてパートナーセールスを行いながらWeb、営業、マーケティング、SaaSなどの情報発信を続けている。

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