今月もGRANDITやクラウドERPをご検討の皆様にERP関連の用語解説をいたします。参考になれば幸いです。
現在多くの日本企業ではDXなどのキーワードから、デジタルを活用したビジネスの変革を実施しようとしています。その中でも1つのキーワードとして注目を浴びてきているのが「BPR(ビジネスプロセス改革)」です。
今回は、そんなBPRについて解説していきます。
BPRとは
BPRとは、Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス改革)の頭文字から取られた言葉です。
業務本来の目的に向かって、既存の組織や制度を根本的に見直す事により、業務・組織・戦略を再構築することを言います。
もともとこのBPRという考え方については、1990年のはじめの頃アメリカで生まれました。リエンジニアリングという考え方を提唱したのが、MITの教授だったマイケル・ハマーと経営コンサルタントのジェイムス・チャンピーの2名で、日本でも有名な『リエンジニアリング革命』という書籍を知っている方もいるのではないでしょうか。
日本ではバブル崩壊時に注目されたのですが、マイナスの側面が多くでてしまったためその後はあまり取り上げられることはありませんでした。しかし現在は、昨今のBPRの流れの中で再注目されています。
このBPRについては、会社のビジネスプロセスが専門化、分業化されてきたことによる対策という面がありました。専門化、分業化が進んでしまう事で全体的な最適化という発想にならず、それぞれ自分たちの部門だけがうまくいくようにリソースと時間を使うようになってきます。これは会社全体としては健全な形ではないですし、非効率な部分も多く生まれてしまいます。
そこで、根本的な再構築を行うことにより全社でのビジネスプロセス最適化、部門の垣根を超えた体制づくり、それを実現するためのIT化など、会社全体としての最適なビジネスプロセスの構築を目指すのがBPRです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング社の公開している『民間企業等における効率化方策等(業務改革(BPR))の国の行政組織への導入に関する調査研究 』という資料によると、BPRのステップとしては5つ存在し、①検討、②分析、③設計、④実施、⑤モニタリング・評価が存在します。
まずはどういう姿を目指していくかなどの検討から入り、実際の分析を行います。そこから実際の設計や実施に入るのですが、ここまでだといわゆる業務改革のように感じます。業務改善との違いについて、業務改革は各業務の非効率な部分を見直すという意味合いになりますが、BPRの場合は業務プロセスを根本的に見直すところから入るため考え方が大きく異なります。
そのため、根本的なBPRの中に業務改革という対策も含まれるという関係性になります。その他例えばBPOのように業務を切り出してアウトソースするような対策もBPRの1つの対策と言えます。
また、BPRを進める上では、ERPを利用することで自社の業務プロセスを分析し、可視化することも必要になります。
BPRのメリット・デメリット
ここまでBPRについて説明してきましたので、メリットとデメリットについてもお伝えしていきます。
BPRのメリットとしては、会社全体でビジネスプロセスを最適化できるところです。部分最適ではどうしても影響力が限定的になるところを根本から見直す事によってダイナミックに変えていくことは今までの業務の無駄を一気に見つけ出せる可能性が高いです。
一方のデメリットとしては、BPRは簡単ではないということです。根本的にビジネスプロセスを再構築するということは全社的に大きな影響が出ることになり、社長など全社を見ている人がしっかりと旗を振って進めていかなければ中途半端に終わってしまう可能性が高いです。コストも多く発生しますので、投資対効果があるかどうかも重要なポイントと言えます。
最後に
今回は、ビジネスプロセス改革のBPRについて解説してきました。
日商エレクトロニクスではシステムと業務の両方を理解し、サービスを提供しています。IT技術で企業の課題を解消していく「専門家」です。
今回のBPRに必要な対策の1つとして取り上げた、ERPという観点でも実績が豊富です。特に商社やIT系の企業の業務や基幹システムに関しての課題や興味がある方は、以下のページをご覧ください。
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〜以下、プロフィール〜
南波真之(なんばさねゆき)
新卒でWordPressのトップ企業に入社し営業、マーケティング、ディレクションを経験、その後SaaSサービスを開発、提供する会社にてパートナーセールスを行いながらWeb、営業、マーケティング、SaaSなどの情報発信を続けている。