こんにちは、穂苅智哉と申します。
企業の基幹システムとして、ERPを利用するケースが増えてきています。以前はSAPなど大手企業が導入するようなERPパッケージが主流でしたが今では中小企業でもERPの利用が進んできています。その理由として、SaaS型のERPの普及があります。企業がSaaS型ERPを選択する理由はいくつかあるのですが、その中の1つにBCPがあります。
今回は、そんな「SaaS型のERP」と「BCP」について取り上げていきます。
SaaS型のERP利用が伸びてきている
ERPはEnterprise Resource Planningと頭文字で、企業の経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を統合的に管理し、業務や経営判断の効率化を図るシステムです。
そしてSaaS型のERPは、クラウド上で提供されるサービスでインターネットを介して利用できるERPの仕組みです。企業で利用するサーバーがオンプレミスからAWS, Microsoft Azureなどのクラウドサーバーに置き換わっていったようにERPもSaaS型が普及してきており、優れているところの1つは利用の簡単さです。従来必要であったハードウェアの購入やインフラ整備といった初期投資をほぼ必要とせずにサービスを利用することができるため、短期間での導入が可能で、まず少しやってみる、ということも可能になりました。
更に、セキュリティ対応などもSaaS提供側の対応になるため利用側はあまり気にする必要がなくなり、適時SaaSのサービス側の機能アップデートも行われます。コストも利用するボリュームによって料金が変わってくるモデルのため、急激な成長を見越しているような中小、ベンチャー企業にもフィットしています。
実際、2024年に矢野経済研究所から出された国内のERPパッケージライセンス市場の調査結果を見ると、ERPパッケージベンダーのライセンス売上高は、2023年は約1419億円、2024年の予測は約1536億円、2025年の予測は約1645億円、2026年の予測は約1754億円と順調に伸びている事がわかりました。
この調査の中では、SaaS型ERPが増加基調にあり、既存のERPパッケージ導入企業もSaaS型ERPへの移行を検討しているという分析もされており、今後のERPの大きなトレンドになってくるのではと考えられています。
(参考:ERP市場動向に関する調査を実施(2024年) – 株式会社矢野経済研究所)
SaaS型ERPとBCP
BCP(Business Continuity Plan)は、事業継続計画と訳されます。中小企業庁のBCPの説明を見ると以下のように書いてあります。
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
イメージとしては、災害級の緊急事態があった際にでも自社の事業を可能な限り継続し、復旧を最速で行う事により顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることで企業価値を上げていくということです。
例えば、会社の重要な情報に関しては1箇所で保存せずいくつかの場所に分けて保存することで1箇所が利用できなくなったとしても別の保存場所の情報で事業継続ができるようにする、というようなことです。
それでは、SaaS型ERPだとなぜBCP対応になるのでしょうか。それは、自社でサーバーなどのインフラを管理していないためです。企業内にサーバーを配置しそこでシステムを動かしていたとすると、そのサーバーが止まってしまった場合には事業継続が難しくなります。しかし、SaaSであればサービスを提供する企業がどこまで対策をしているかによりますが、事業継続の観点でも有効です。
最後に
今回は、SaaS型のERPとBCP対応について取り上げてきました。
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純国産ERPパッケージ「GRANDIT」は、2004年に登場し1,400社以上の企業で導入がされています。また、オールインワンERPとして、ERP、EC、BI、企業グループや取引先の連携、グローバル対応など様々な機能が集まっているERPです。
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