商社ERPトレンド紹介 第21回「ERPを検討するには、Fit To Standardがポイント!」

こんにちは、穂苅智哉と申します。

企業でシステム導入を検討する際、皆さんはどういった観点を押さえるでしょうか。

まずは現状理解として社内の業務整理を行い、その上で業務の優先度を洗い出し、どのようにシステム化するとよいのかを考えていく。そのうえでどのシステムや技術を使うとよいのかを検討し、誰がどのスケジュールでどのように作っていくのかを決めて進めていく、というような流れでしょうか。

企業のシステムとしては、完全に会社独自のシステムなどで無い限りはフルスクラッチではなくある程度のパッケージシステムを検討することも必要で、それはERPシステムも同様です。

今回は、ERPシステムを検討する際の考え方について取り上げていきます。

ERP検討の考え方、Fit And GapとFit To Standardとは?

ERPに限りませんが、システム開発を検討する際の考え方には、「Fit And Gap」と「Fit To Standard」があります。まず、Fit And Gapから見ていきます。

Fit And Gapというのは、システムを作る際の自社要件から、ERPのパッケージシステムでカバーできない内容についてはシステムのカスタマイズや開発を行うことでこのギャップを埋めていく、という考え方です。

ERPほどの大きなシステムを1からフルスクラッチで作るというのは金額も開発工数も保守コストも膨大となりますので、多くの企業がERPのパッケージシステムを利用するようになってきています。しかし、パッケージシステムですので、その中で自社が使わない機能も出てきますし、逆に標準機能では要件に当てはまらない場合も出てきます。

つまり、Fit And Gapで考えていくと、自社要件に近づける事はできるのですがギャップをどのように埋めるか、使わない機能が出るが許容できるか、という観点を真剣に考える必要が出てきます。

次に、Fit To StandardですがこれはFit And Gapの問題をなるべく発生させないアプローチです。

考え方として、ERPパッケージシステム自体に大きなカスタマイズをしないというところから始めます。標準機能を最大限使い、システムに要件をあわせて構築をしていきます。これは、最初の要件定義でどれだけ利用する想定のシステムの標準機能が存在し、要件のどのくらいの割合が標準機能で実現できるのかを可能な限り明確にする必要があります。また、どうしても標準機能だけでは満たせない要件は出てきますので、この部分は、開発・管理しやすい形でカスタマイズを行うか、外部のアプリケーションと連携させて利用するのかというところを検討する形になります。

Fit To Standardが全ての企業に適しているとは思いませんが、Fit To Standardでは低コストかつ短期間で本番運用まで持っていくことができます。足りないところや業務にあっていないところは適時対応していくようなことも可能です。

ERPシステムを検討している企業の方には、この2つの考え方をベースに情報を色々収集していくことをお勧めいたします。

最後に

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