こんにちは、穂苅智哉と申します。
ERPシステムの活用は、従来日本でも大企業を中心に行われてきました。最近では、クラウド型のERPも誕生し、より初期投資を少なく、使いやすくなったことで中小企業もERPシステムを利用し業務を効率化させてきています。しかしまだまだ多くの企業では、ERPシステムを使った改革改善の手前で、なんとか業務システムを使って事業をしているのも事実です。一体それはなぜなのでしょうか?
今回は、日本企業の業務システム利用の問題と、ERPの中でも注目されてきている「コンポーサブルアーキテクチャ」ERPについて解説します。
企業はなぜ、自社に合わないシステムを使い続けているのか?
「業務システム」「基幹システム」という言葉をよく聞きます。これは、仕事を行う際に使用するシステムのことを全般的に言うことが多く、例えば販売管理、在庫管理、会計管理、勤怠管理、グループウェアなど様々です。
更に、ビジネスは日々変わっていくものですので、それをシステム側でどのように吸収して運用するのかは定常的な課題です。
経済産業省の「DXレポート」にある、「2025年の崖」は有名な話ですが、レガシーシステムを使い続けている企業は日本で8割と言われており、全社横断的なシステムになっていないことから全社的なデータ活用ができず、システムも複雑化してしまうため、企業のDXが進まず2025年以降1年で12兆円の経済損失が生じる可能性がある、というものです。
では企業はなぜ、このような課題を抱えながらビジネスをしているのでしょうか。
この記事では、システム側の問題と人材側の問題に分けて考えてみます。
システム側の問題とは、現状の膨れ上がったシステムを一度全て整理して新しい仕組みに変更するという恐ろしく高いカロリーを消費することに対する嫌悪です。簡単にできるものならすぐにでもやりたいと思うものですが、それなりの手間と痛みを伴うため、なかなか実行に踏み切れないのです。
また、人材側の問題とは、いわゆるDX人材、デジタル人材の不足です。システムを使ってビジネスを成長させていける人材、使いこなせる人材、AIやデータ分析ができる人材などあらゆる人材が不足していることも理由として存在しています。
「コンポーザブルアーキテクチャ」のERPが注目されている
ここまでは、多くの企業で、古く自社に合っていないシステムをどうして使い続けるのかを見てきました。そのような現場をシステムとして解決できるものの1つがERPシステムです。
業務システム、基幹システムを統合して会社の横断システムになるERPシステムですが、最近「コンポーサブルアーキテクチャ」のERPが注目されています。これは、ガートナーが2020年に提唱したものです。コンポーサブルは日本語訳すると、「複数の要素や部品を結合して構成や組み立てが可能なこと」をいいます。つまり、必要な構成要素を組み合わせ、機能拡張によって他のプログラムを追加することで、柔軟に各企業に合ったERPシステムを作っていくというものです。
なぜ「コンポーサブルアーキテクチャ」のERPが注目されるのかというと、やはり柔軟性や拡張性です。ビジネス環境は日々変化していきます。企業も何年も同じビジネスをやっているというよりも事業体を変化させたり、全く新しい事業を開始したりという動きを取ります。そんな環境の中では、柔軟に今のビジネスに沿ったERPシステムを作る必要があります。そこで、「コンポーサブル」がフィットするのです。
更に、最小限から初めて試しながらERPシステムを評価していくことができるため、会社全体で導入する必要があるこういったシステムに対しては、利用企業のハードルも下がって使いやすいことも理由です。小さくシステムを変革していけるというのは、今までの企業経営の中で膨らんできたシステムを持っている場合などには特に有効ですね。
ERPシステムは様々なものがありますので、自社に合ったものをしっかり選定しながら進めていくことが大事です。
最後に
双日テックイノベーションはIT技術で企業の課題を解消していく「専門家」です。特にGRANDITやクラウドERPをご検討の商社やIT系の企業の皆様で、業務や基幹システムに関しての課題や興味がある方には、以下のページをご覧いただきたいです。
純国産ERPパッケージ「GRANDIT」は、2004年に登場し1,400社以上の企業で導入がされています。また、オールインワンERPとして、ERP、EC、BI、企業グループや取引先の連携、グローバル対応など様々な機能が集まっているERPです。
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