今月もGRANDITやクラウドERPをご検討の皆様にERP関連の用語解説をいたします。参考になれば幸いです。
業務のデジタル化や効率化の流れで、多くの業種でシステム導入が進んでいます。
その中でも製造業は、日本のお家芸と言われていた今までの状況から、発展途上国含めて多くの国との競争を余儀なくされています。さらに、製造業のDX取組状況として57.2%が「実施していない、今後も予定なし」と回答している状況です。
(参考)総務省 令和3年 情報通信白書
今回は、製造業のDX化に欠かせない、「MES」について解説します。
MESとは
MESとは、 Manufacturing Execution System(製造実行システム)の略です。製造工程を可視化して把握することで効率的な管理を行うことができ、それにより作業者への指示出しや作業支援を行います。
現在の製造現場では、少量多品種生産や状況に合わせた適切な生産計画が求められています。さらに、人材不足という理由も重なり少数でもシステムを上手に活用して生産性を上げていくという必要性が出てきています。MESによって、製造工程の効率的にデジタル化していくことで複数の工場との情報連携や管理もしやすくなるため普及が進んでいます。
もう少し詳しく説明していきます。
MESは、生産ライン上の各工程と連携することがポイントで、例えば原材料や部品の在庫の把握、製造工程の進捗の把握を行います。また、計画に沿った作業スケジュールの設計や製造資源の配分や監視、品質管理、指示出しなども実施できます。
また、製造現場で使われるハンディターミナルやタッチパネル型の機器などとも連携を行うことも多いです。
MESはこのように製造工程の実行をサポートする機能ですが、MESを広義に捉えると生産管理システムとなります。生産管理システムでは下記の4工程がありますがその中でMESは生産実行部分を担当しています。
- 生産計画の策定
- 生産準備(仕入管理、販売・購買管理)
- 生産実行(MES)
- 在庫管理、品質管理
そのため、全体的な生産計画等についてはMESの上に位置づけられるERPが担当することになりますので切り離せない関係性です。
MESの11の機能
MESは、製造実行システムとういう性格上、標準のものがなく、必要な活用を定義してシステムを作っていく形になります。とはいえ、アメリカの MESA (Manufacturing Enterprise Solutions Association) Internationalという団体は、MESを11の機能で定義しています。
- 生産資源の配分と監視
- 仕様・文書管理
- 設備の保守・保全管理
- 製品品質管理
- 作業のスケジューリング
- 作業手配・製造指示
- 作業者管理
- データ収集
- プロセス管理
- 製品の追跡と製品体系管理
- 実績分析
(参考) MESA Model
MESを利用するメリットまとめ
ここで改めて、MESを利用するメリットをまとめます。
製造コストの削減
MESを利用し、製造工程を可視化します。例えば、設備ごとの稼働率、トラブル状況、製品にかかるトータルコスト、などがあります。これらの今まで見えていなかった状況をまず可視化することで、適切にコスト削減を実現する事ができるようになります。
社内部門間連携
製造業で発生しがちな、事業所・事務所や本社と工場での情報連携不足を防ぐことができます。例えば作業者と保全部門、購買部門など複数の関係者間での共通システムにすることで、情報がリアルタイムでやり取りできます。在庫切れやトラブル時の対応も可能になります。
納期短縮
MESで製造状況が可視化され、適切な管理が行われてくることで、原材料や在庫の状況がひと目で分かるようになります。それにより、製造の指示についても適切なタイミングで実行できるため、計画的に製造を行うことで納期の短縮が可能になります。
最後に
今回は、 MESについて解説してきました。
製造現場ではまだまだ属人性が高く、可視化がされていないケースも多くあります。そういった状況をMESやERPのシステムを使った生産管理を実施することで将来の日本の製造業が活性化してくることでしょう。
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