【セミナーレポート】日商エレ & アイ・ティ・イノベーション提携記念セミナー ~新たな時代を勝ち抜くための攻めと守りのIT戦略~

2021年10月15日(金)、当社と株式会社アイ・ティ・イノベーション(以降、ITI)との提携を記念した共同セミナーを開催し、300社を超えるお客様にご聴講頂き、盛況のまま終了いたしました。

セミナーでは、「これからの基幹系システムのあるべき姿」と「オルタナティブデータの活用が切り開くデジタル革命」をテーマとした講演を行いました。

本稿はセミナーの講演レポートをお送りいたします。

1.ご挨拶

日商エレクトロニクス株式会社 取締役 常務執行役員 木部 俊明

DXは2004年にスウェーデンの学者であるエリック・ストルターマン氏によって「デジタル化された便利な社会」として提唱され、ガートナーやIDCが注目トレンドとして取り上げられたことで、グローバルトレンドとして取り扱われるようになり、昨今では「DX」という言葉を見ない日はありません。

日本においてもDXは強く推奨されており、2018年に経済産業省が公開したDXレポートでの提言をはじめ、2021年にはデジタル庁が創設されるなど政府は積極的なデジタル化を推進しています。

ただその一方で、諸外国と比較すると出遅れ感が否めません。

その原因はDX化が目的化しつつあることにあり、ツールの最新化や効率化による業務改善といった面にとどまった結果、新しい価値を創造するまでに至っていないためと考えられています。

当社はこれまで最新テクノロジーやソリューションを長期に渡って提供してまいりましたが、今後、顧客のDXを支援するにはDX構想力を持つことが非常に重要だと改めて再認識しております。

そこで、DXコンサルとして多くの実績と経験を持つITIとの資本提携により、幅広いDX支援をしていこうと考えております。

2.オープニングセッション

日商エレクトロニクス株式会社 アプリケーション事業本部 事業本部長  長谷川 健

昨今、「守りのIT(SoR)」と「攻めのIT(SoE)」が雑誌等で取り上げられており、当社はSoEのご提案をしてきました。

SoEとして、よくクラウドやアジャイル型開発が挙げられますが、それがSoEかといえば、そうではありません。また、SoEとしてAIやデータ分析の注目が集まっていますが、そこで使用するデータはSoRの基盤にもありますし、セキュリティや運用基盤では、攻めと守りが共通であることも多くあります。

つまり、SoRとSoEの実現はそれぞれの特性を考慮した共存できる環境にしなくては、DXは進まないと考えています。

DX推進を鈍化させる要因として「金・モノ・人」が挙げられるのは事実ですが、実際にはそれだけではありません。

具体的にはDXによって果たしたい目的を同時に実現できるか、老朽化したシステムと新しいシステムが共存するITアーキテクチャの実現の可否、DX推進を加速するデジタル人材の育成と組織形成などが課題として挙げられます。

当社とITIの資本提携の目的はこの課題の解決策のご提案をミッションとしたことにあり、今後は両社の得意分野を掛け合わせたサービスを提供してまいります。

  1. 超上流コンサルティングサービス(IT&DX構想・企画):中期経営計画に関連したIT戦略作成支援、デジタル化戦略作成支援、データ活用企画支援などの企画構想作成の支援。
  2. 柔軟なアプリケーションの構築:Naticによるオンプレミス、クラウド問わない基幹システム構築や、RPA、AIなど、新しい機能の提案・構築。
  3. プロジェクトマネジメントサービス:プロジェクトの円滑な推進や運用保守。
  4. IT&DX人材育成サービス:DX UniversityによるDX人材の教育サービスの提供。

<セッション1>これからの基幹系システムのあるべき姿

「適材適所なEA(エンタープライズアーキテクチャ)」

株式会社アイ・ティ・イノベーション ビジネステクノロジー戦略部 部長  中山 嘉之氏

DX時代、ビジネスの継続性はもちろん、利益追求だけではないCSRへの貢献や、より消費者側に立ったビジネス展開、セキュリティ対応の向上、属人化の排除・防止などが求められています。

そうした中でシステムに求められるのは柔軟性・拡張性の高さ、SoE/SoRの融合による戦略立案の迅速化、乱立したシステムの断捨離、インフラ・保守にかかるコスト削減、ベンダーフリー、ブラックボックス化の改善、IT人材の老齢化への対応などが挙げられます。

基幹系システムは特にこれらの課題に直面しており、早めに解決策を模索していかなくてはなりません。

これらの課題を解決するためには、①データセントリックなシステム開発、②アーキテクチャ主導のシステム開発、③疎結合アーキテクチャへの転換、④ビジネスコンシャスな組織による開発といったことにポイントにおいた対応策を立てていく必要があります。

<データ中心のエンタープライズアーキテクチャの展開>

今後は顧客にどう価値を提供していくかを重視した戦略を立てるべく、新しいSoEでITを作らないと成り立ちません。それに伴い、IT部門の人材には従前のものと同等の新しいスキルを身に着ける必要があります。

その実現には財務・顧客・業務プロセス・従業員という4つの視点から戦略を立てます。

なお顧客は従来であれば社内顧客がターゲットでしたが、今後は外部の顧客も対象にしましょう。

<基幹系システムと新領域の融合(データ連携重視)>

Web受注やSFA、POS、SNSなど様々なソリューションがSoEとして活用されています。

しかし、ほとんどのケースで各システムが他のシステムと連携せずに孤立化(サイロ化)していることが多く、情報を活用できていませんでした。

今後はSoRとSoE、双方の領域のツールを融合し、データ連携を重視したシステム環境が望ましいです。

<プロセス中心からデータ中心アーキテクチャへ>

データ連携を重視したシステム環境にするには従来の独立したITシステムの環境を改善する必要があります。

それぞれが独立していればデータ連携は難しく、他のシステムと無理に連携・整合化させればスパゲティのように混線し、ブラックボックスの要因となります。

今後はデータを中心に考え、共通化できるものは共通化するなど、データ中心のアーキテクチャを採用しましょう。結果、システムのライフサイクルが伸びる可能性が高まります。

<個々の企業に適した実装手段の組み立て>

自社の事業をよく知り、事業競争力の高い部分や特長を支援するものを見極めましょう。

自社の業務アプリをバックオフィス・フロントオフィス、変更の多い・少ないといった4象限でマッピングし、適切な実装手段(スクラッチ・パッケージ・ERP・汎用ツール)を見極めます。

<適材適所なアプリケーションを疎結合連携したEAへ>

これらの実現には、中央にエンタープライズデータを保存するHUB(EDH)を配置した環境が望ましいです。

HUBの周囲はBPO、ERP、CRM、SFAなどのシステムを配置し、取り換えが容易な状態にします。

また、各アプリケーションのデータ書式を共通化し、様々なアプリケーションでシェアできるようにデータベースを設計しHUBに保存すれば、データの疎結合を可能にします。

この際、EPLやHUBを入れれば疎結合が可能になるわけではないことに注意しましょう。データの共通性をきちんとデザインしなくては、スパゲティの状態になります。

<アーキテクチャの移行計画>

一度に変更するのではなく、都市計画のように順次再構築をかけましょう。

まずはアプリに内包された―データを分離するため、データHUBの設置・マスタ管理を独立させ、その後、共通トランザクションDBを配置し、最後にレガシー統合システムを適材適所に分離させます。


「失敗しないERP導入」

日商エレクトロニクス株式会社 アプリケーション事業本部 ERP事業部 ERP営業課 課長  西本 信浩

ERPの市場は徐々に変化しており、特に2018年に発表されたDXレポート以降、老朽化したERPシステムの刷新を進める企業が増加しています。(国内ERP市場:9.1%増、SaaS:38.9%増)

また同時にERPに求められるニーズも変化しており、以前であれば業務の利便性やデータ管理・保全・連携の要望が中心でしたが、昨今は戦略的IT戦略を目的としたAI・データ活用に注目が集まっており、競合に打ち勝つための攻めのITや、人材不足を見据えた効率化実現に意識が変わっています。

導入面においては、クラウド上での構築が増えたほかに、ERPの機能で取り込めなかった運用業務の効率化を目的にRPAを活用するケースも増えています。

また、親会社と子会社が別のERPを使用する二層式ERPも増加しています。

親会社が利用するERPは子会社とってコストの負担が大きく、そして業務要件に合わない、エンジニア工数が高いなどの課題を抱えていることが多くありました。

そうした中でGRANDITを子会社用に用意し、導入・運用コストの最適化、システムの平準化、事業変化に柔軟に対応できる基盤づくりをするケースが増加しています。

<課題>

ERPにおける課題は主に以下の3点です。

①ERP導入の目的やゴールが不明確(旧ERPの仕様確認不足による機能不足、RFPの誤りなどが要因)

②無理なクラウドERPの導入(トレンドに注目しすぎて自社に合うシステムではないなど)

③深刻なIT不足

ビジネスとITの戦略が合致していない場合はどうしても不満が残るシステムになる可能性が高くなるためERPを導入する前にビジネス戦略とIT戦略をしっかりと建ててRFPを作成する必要があります。

当社はITIとの提携によって、以下3点を提供できるようになりました。これにより、より精度の高いERP環境の構築・データの活用を実現します。

〇IT構想企画

トップダウン視点によるビジネス戦略・目標と、ボトムアップ視点をヒアリングした上で要求仕様を整理するため、自社ビジネスで真に必要な要求をまとめます。

〇PMO支援

プロジェクトにPMとして入り、プロジェクトの推進を支援します。

導入後には運用の標準化や準備などのプロセスを用意するお手伝いをしていきます。

〇データ分析

集約されたデータを訴求し、KPI分析など、経営に生かせるよう支援します。

<セッション2>オルタナティブデータの活用が切り開くデジタル革命

「AIの必然性と、広がるAI活用範囲」

株式会社アイ・ティ・イノベーション 高度先端技術部 部長  太田 明宏氏

「2025年の崖」は昨年公開されたDXレポート2でも明確に記載されています。

経済産業省はDXを推進しない場合の経済的損失が大きいため注意喚起をしており、それに伴い各メディアやベンダーも早急なDXの実現のため多くの機会で取り上げています。

ただ、より注意をしなくてはならないのは2025年までにDXが実現できなかった時に起こりうる経済損失への対策ですが、現状、日本におけるDXの推進状況は9割以上が未着手としており、非常に危機的状況といえます。

世界各刻のDX対応を順位付けしたデータでは日本の位置づけは27位となっています。

またアジアにおける労働生産性をグラフ化すると、日本はマイナス成長になっており、一方の中国、台湾、香港はプラス成長です。これらの海外との乖離を埋めない限り、日本は以前のように海外でのビジネスは難しいと言いざるをえません。

また、2025年までにAIを正しく導入することで得られる経済効果は34兆円とされていますが、大・中・小規模の企業におけるAIの導入は4.2%、POCは4.8%となっており、合計しても9%しかなく、AIが与える影響を理解している人が少ないこと見て取れます。

■DX推進に向けて

まずDXとは、経営の変革をするものであるということを再認識しましょう。

デジタルテクノロジーはツールでしかなく、システムを入れれば売り上げが上がるものではありません。あくまでそれを駆使して事業の在り方やビジネスモデルを変化させるのに役立つツールです。

電子化もまたDXではありません。これらの認識を誤ればDX推進は成功しません。

■DXに取り組む日米の差

DXは経営者・現場・IT部門の三位一体で進めていくべきものですが、日本は経営者が自ら関わっているのは35%で、米国の55%には及びません。

ただシステムを導入すればDXが完了ではなく、経営者と現場が議論して進めていければ成功する確率が高まります。米国と日本のDXに対する姿勢に関連したデータは次の通りです。

<IT投資への予算配分>

日米でのIT投資の規模は違いますが、そもそも予算投資のバランスから異なります。

米国企業の多くは市場や顧客の変化といった外部環境把握にIT予算を投じているのに対し、日本企業は予算の大半が社内の業務改善や働き方改革に振り分けられています。

<DXの目的と取り組み姿勢>

日本はオペレーションの改善や変革といった既存業務に対するアプローチですが、一方の米国は新規事業や自社の取り組みの外販化など事業拡大に対するものになっています。

■DXとデジタル化

情報のビット化(デジタイゼーション)と新たな付加価値を生むデジタル化(デジタライゼーション)を行うとデジタルトランスフォーメーションにつながるというのが本来の流れで、DXレポートをよく読むと順序性はありません。

よく紙のデジタル化が必要だとする方がいますが、全てのアナログデータをデジタル化するには相当な労力がかかりますし、労力に比べそう大きな効果は出ません。まずはDXを実現するために必要なアナログデータのみをデジタル化するところからはじめましょう。

また、業務プロセスを改善せずに今あるデータをデジタル化するのはただの改善でしかありません。新しく事業を作るというのがデジタライゼーションといえます。

例えばタクシー業界は乗車した顧客の情報を手元の台帳に書き込む形で管理しています。一方、Uberは乗りたい人と乗せたい人をマッチングさせるという新しいビジネスを作っており、発想からして異なります。

新たなビジネスをどう作るか、それにはどのようなデータが必要かという考え方にチェンジしましょう。

これを続けていけば改善とデジタライゼーションの両立が可能になると思います。

■今後の展望

「アフターデジタル」という書籍では、DXが上手くいった後のことが書かれています。

DXの推進は、使用しているデバイス等から収集したデータがデジタル化されていることと同義です。この状況が続けばデジタルがリアルを包含していく状況になると考えられます。つまり、生活はオンラインの概念が中心になり、オフラインという概念が薄くなるということです。

より重要なのはユーザーが情報を発信している、ユーザーそのものがデータになることです。

今までであればデータを収集してビジネスモデルを検討してきましたが、今後はユーザーが置かれた状況を理解し、ユーザーを個として取り扱ったビジネス展開が求められます。

ユーザーエクスペリエンス(UX)はユーザーが一つの製品・サービスを通して得られる体験を指します。今までのように情報を提供するものから体験を提供するものにシフトしていくことが重要です。

例えばコーヒーを出す店はいくつもありますが、スターバックスをよく利用する顧客はスターバックスが醸し出す店の雰囲気が好きだから行きます。これこそがUXで、今後はこの考えが重要になります。

昔はいいものを作れば売れる時代でしたが、今後はUXに注力しないビジネスやDXは成功が難しい時代になっていることを理解しましょう。

■ファイナンス業界のAI利活用

世界フォーラムにおいて、銀行のCEOの75%がAIは銀行の差別化に必要不可欠で最優先事項だと答えています。また、PwCの研究では金融サービス業界の経営幹部の52%がAIにかなりの投資をしているとしており、企業の意思決定者の72%が将来のビジネスにプラスになると考えていることがわかります。

ファイナンス業界は日本の中では割と先進的にAI取り組んでおり、主にチャットボットや不正検知などで利用されています。ですがそれでもまだ初期段階で、これからより努力が必要で、まだ伸びる領域といえます。

■オルタナティブデータの活用

ファイナンス業界においてオルタナティブデータの活用は重要です。

これまではトラディショナルデータ(各種統計データ)から予測を作ってきましたが、データ自体が数か月に一度などの頻度で、月別・地域別など目が粗いデータであることがネックでした。

しかしオルタナティブデータであれば、GPSやPOS、クレジットカードの決済情報などミクロメッシュなデジタルデータをリアルタイムに取得できるため、ビックデータとして活用が可能であり、精度の高い分析を行うことができます。そのため、多角的で柔軟な分析ができるため、今後はオルタナティブデータの活用が強く求められていくと言えます。

ファイナンス業界は従来であれば標準化されたサービスをいかに多くの顧客に販売するかが主体でした。今後はオルタナティブデータの活用によって分析されたデータを活用し、パーソナライズされたサービスが提供されていくと考えられます。

■事例

2つの観点からみた事例をご紹介します。

①与信審査

コロナウィルス関連の影響による破綻は約1,200件と言われています。

こうした状況下では従来の形で行う融資審査では困難で、審査の観点を多面化し、効率よくするためにAIを活用し始めています。審査の多面化ではオルタナティブデータとしてSNSなどのデータを活用するケースもあるようです。

また融資相手のスコアリングは2009年にできた統計モデルを使って評価してきましたが、現在はニューラルネットワークモデル(Deep Learning)を使うようになってきています。

オルタナティブデータによってデータの種別と量は以前に比べ圧倒的に多くなったため、これまでの統計モデルでは処理が難しくなりました。今後はニューラルネットワークモデルが主流になっていくでしょう。

②不正検知

2019年のクレジットカードの不正利用は273億円に上っています。

不正行為自体が複雑化・巧妙化しており、システムが進化できない限り不正の排除は難しく、他と比べて柔軟なデータ活用が求められる領域といえます。

システムを一度作っておしまいではなく、犯罪行為やデータの成長に合わせてシステムも成長させなくてはなりません。

他にもマーケット予測などでも活用されていますが、今回は上記2点ご紹介しました。

■まとめ

オルタナティブデータの活用方法により、自身のビジネスモデルを成しえるかを判断しなくては、今後、生き残りは難しくなります。

そして、フルデジタル化時代はデータがあふれている状況です。人が情報を処理するには限界な膨大なデータの処理はAIを使いざるを得ない時代といえます。

また、現場や経営者がそれぞれにデジタルを理解する必要もあります。皆様方の継続的なビジネスの価値創出を楽しみにしています。


業務で活用できる分析サービスと実装プラットフォームご紹介~与信領域での活用例~

日商エレクトロニクス株式会社 アプリケーション事業本部 アプリケーション事業推進部 ビジネスデザイン課 課長 亀岡 雅弘

電子帳簿法改正や働き方改革などが追い風になり、一般企業では経費処理をキャッシュレスで行えるよう、法人カードを活用する方向にシフトしていることから、法人カード領域はビジネス拡大の機運にある状況です。

また、従前から各社が注力してきた大手向け企業向けサービスの差別化が難しいことから、新たな需要を掘り起こし、今では中堅・中小企業向けのビジネス展開によるリスク分散型の収益モデルに転換しているようです。

■信用リスク評価における課題と打ち手

通常、信用リスク評価においては外部格付けや決算書による定量評価と、経営者の資質や企業の技術・ノウハウといった定性評価によって行われており、規模が小さくなるほど定性評価の比率が大きくなります。

この評価の問題点は、定量評価では外部格付けがヒットしないケースがあることや、決算書の鮮度の悪さ、定性評価では中小の事業実態を踏まえる必要があるため手間がかかるという点が挙げられます。

これらを踏まえた上で総合評価を行いますが、中小企業の場合、財務内容が良くても景気悪化が起きればデフォルト(債務不履行)してしまうことが多いため、マクロ経済情報も含めた総合判断と熟練者に依存するということが起きています。

<課題と打ち手>

①外部格付け情報がヒットしない

機械学習プラットフォームを活用した中堅・中小規模向け与信モデルの構築。

外部格付けによらないスコアリングを構築することで、スコアに応じたきめ細やかな与信設定を実現。

②与信モデルを作るだけのデータがない

自社のデータ項目を分析し、モデル化に必要な最適な議事データを生成する。

③過去の常識が通用しない

オルタナティブデータを活用し、中小の事業構造の性格を踏まえ、金利・為替レートといった景気変動を示す指標をモデルに組み込む。

■ソリューション

下図の通り、上流工程から下流工程まで、一気通貫でサービスをご提供しています。

詳しいサービス内容は当社営業担当者までお問い合わせください。

ITI社による疑似データ生成(アノテーションサービス)の詳細は下図の通りです。

・教師データが不足している場合はデータを作成します。
・お客様のデータが分析にかけられる状態ではない場合には構造化を行います。
・意味のあるカテゴリにデータ再配置することで意味のあるデータにします。

■サービス活用による効果

スコアリングシステムを金融事業者様がご活用頂くことで、中小企業向けのリスクマネジメントを強化し、きめ細やかな与信設定を行えるため、新たな収益基盤の確立を可能とします。

きめ細やか、高品質なサービスの実現によって、申し込み量が増えれば多種多様なデータサンプルを得られるようになり、よりシステムの精度が上がっていきます。

エンドユーザーにとってはスピーディーな金融サービスを得られます。

多くの場合、金融サービスを早く使いたいと考えていることが多く、余計な手間暇をかけずともサービスを得られれば、お申込数はさらに増加すると考えられます。

※セミナーではAI機械学習PFを活用した審査画面例及びモデル制度監視・運用画面例をご紹介しました。

詳細にご興味のある方は営業担当へお問い合わせください。

■AI機械学習の理由

以下の5点が挙げられます。当社とITIは内製化の実現のため、ビジネスで活用するための手法やデータをサービスとして提供してまいります。

・大量のデータを高速分析することで、人が気づかない因果をもとに将来の予測が作れる。

・なぜその結果になったのかを説明できるデータを得られる。

・熟練者の暗黙知を形式知化できるため、業務の平準化を可能とする。

・対中小企業の場合、細かなチューニングが必要なため、それに耐えられる監視・運用機能がある。

・内製化ツールとして活用できる。

体験型機械学習トレーニングとして座学とハンズオン型を用意しています。詳しくは当社営業までお問い合わせください。

クロージング

株式会社アイ・ティ・イノベーション 取締役 兼 専務執行役員  能登原 伸二氏

本日は守りと攻めのDXのお話をしてまいりました。

守りのDXにおいては、エンタープライズアーキテクチャとして、長期なIT戦略を作り、ERPの導入といった流れをご紹介しました。

移り変わる情勢に合わせ、柔軟に対応していかなくてはならない昨今ではこのように体系的にしっかりと設計した上でエンタープライズアーキテクチャを作ることが重要です。

また、攻めのDXでは、自社のデータに加え、外部から取得できるオルタナティブデータの活用をご紹介しました。データは企業活動において重要な役割を担います。今後は自社と外部のデータ、双方を活用してビジネスを展開していくことがDXと言えるのではないかと考えています。

本日はDXをテーマとした講演を行いましたが、各人にお役に立てる部分があれば幸いです。

ITIと日商エレクトロニクスは、今後、両社の得意領域を生かし、連携したサービスを展開していきます。

DXを進めたものの、上手くいかないというときには、ぜひ日商エレクトロニクスや当社へお声がけください。

最後になりますが、ITI(https://www.it-innovation.co.jp/)では各種研修・人材育成支援をご提供しています。

2021年下期からはDX研修コースをご提供しており、AI/UXを中心とした事業戦略・サービス企画人材育成などの4つの講座(https://www.it-innovation.co.jp/pdf/academy_flyer202110.pdf)

を公開しています。ご興味のある方は是非お問い合わせいただければと思います。

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