こんにちは。ビジネスコンサルタントの吉政創成の吉政でございます。
今日はOCRの話です。OCRと聞くと陳腐な技術のイメージがありますが、この分野でもAI技術が採用され、再び脚光を集めています。 特にRPAの注目度上昇に伴って、AI-OCRも脚光を浴びています。RPAの主な適用業務が人による作業の領域であり、IT化が進む現在、「残っている人による作業」が、紙からの情報の電子入力だからです。かなり前からOCRは使われ、普及してきています。一方でOCRの課題もありました。「読み取り精度の向上には限界がある」「請求書など指定フォーマットの変更や追加にはコストがかかる」という点でした。
そこで、それらの課題を解決するのがAI-OCRになります。注目いただきたいのが「AI」機能を搭載していることです。全ての」AI-0CRが以下の機能を搭載しているわけではありませんが、選ぶなら以下の機能を搭載しているAI-OCRが良いと思います。
・フォーマットの自動読み込み機能
(この項目は「合計金額」だな、と自動で識別し、識別されたフォーマットを自動で作ってくれる機能)
・読み込みの精度が低い部分を学習したり、学習させることで、精度を向上させる機能
上記の二つの機能は従来のOCRを導入した場合に残っていた人による作業を軽減するのもになります。AI-OCRは使いこなし、学習させればさせるほど、精度が上がるというソリューションであることです。
この手のソリューションは、普及して、進化してから導入するという考え方もありますが、OCRがすでに普及している枯れた技術なので、AI-OCRの普及を待たずに検討されても良いのではないかと思っています。しかもAI-OCRは学習すればするだけ、精度が上がるので、早めに使いこなしたほうが良いような気がします。
さて、AI-OCRについて二つ言いたいことがあります。
- AIで学習した部分のバックアップは大丈夫でしょうか?
- 異常値アラートの設定が必要だと思います。
AIで学習した部分のバックアップですが、これはやっておかないと万が一の時に痛いです。ローカルではなく、BCP的にもクラウドバックアップのほうがしっくりくるような気がします。
続いて、異常値アラートの話です。取引に関係する内容であれば、異常値の基準を作りやすいです。例えば、与信や過去の取引状況の分析に基づきAI-OCRで読み取った数値が基準値を超えた場合、管理者に通知し、承認を取ってデータを採用する仕組みです。これらはスマホアプリと連動して、管理者はボタン一つで承認ができ、AI-OCRに学習させることができるとよいと思います。これらはカスタマイズの範囲になると思いますが、かなり有効なRPA向けのAI-OCRの機能だと思います。
いかがでしょうか?何か参考になるところがあれば幸いです。
さて、RPAに関しては、日商エレクトロニクスが特設ページを作っていますので、ぜひ以下もご覧ください。
日商エレクトロニクス RPAページ(ERP関連)
また、RPAに関するコラムも公開しています。興味がある方は以下もご覧ください。
コラム「ERP再生計画」第7回「次世代ERPがフォーカスするヒトを中心としたAI機能とは」
https://erp-jirei.jp/archives/637
コラム「ERP再生計画」第8回「次世代ERPにAIが組込まれるとどんな効果が期待出来るのか」
https://erp-jirei.jp/archives/647
鍋野敬一郎氏コラム「ERP再生計画」第9回「ユーザー企業はAIとERPをどのように使いこなせば良いのか」