GRANDITパブリッククラウド移行事例 株式会社エヌジーシー様

生産性の向上を目指し基幹システム「GRANDIT」をパブリッククラウドに移行
将来のワークスタイル変革の可能性を切り開く

事例概要

株式会社エヌジーシー(以下、エヌジーシー)様では2012年5月からプライベートクラウドを導入し、基幹システムとして「GRANDIT」をご採用いただいていましたが、複数のシステムが重層的に稼働することでアカウント管理の煩雑化やTCOの高額化、バックアップ作業の負荷といった課題がありました。「GRANDIT」のカスタマイズとMicrosoft Azure(以下、Azure)上への移行を一括で行ない課題を解決し、パフォーマンスの向上も実現されました。

Before/After

課題/目的

  • 社内アカウント管理の煩雑化
  • 高額な総保有コスト(TCO)
  • バックアップ作業の負荷
  • Windows Server 2003のサポート終了に向けた移行の必要性
株式会社エヌジーシー様GRANDITパブリッククラウド移行事例

効果

  • Azure Active Directoryによる認証情報管理の簡易化
  • TCOの大幅な削減
  • 容易で安全なデータ管理

企業情報

エヌジーシー様GRANDIT導入事例

1985 年7 月に日商エレクトロニクス中核グループ会社として設立されたエヌジーシー様は、映像編集機器の販売や構築に加え、デジタルコンテンツ制作、放送・通信市場等、長年の経験と最先端技術を積極的に導入し、ソリューションの開発、販売、運用サービスの提供に携わっています。

企業名株式会社エヌジーシー
HPhttps://www.ngc.co.jp/
所在地東京都江東区東雲1丁目7-12 KDX豊洲グランスクエア 8階(東京本社)
業種・業界商社(映像機器)
事業内容映像編集システム、デジタルサイネージ、気象システム、CG関連のコンサルティング、
開発、販売、サポートの提供
導入モジュール基幹Suite(販売、調達在庫、経理、債権、債務)
その他Microsoft Azureへの移行

課題

生産性の向上を目標に進み始めた社内システムの見直し

株式会社エヌジーシー様GRANDIT導入事例

エヌジーシー様では2012年5月の事務所移転後から、プライベートクラウドを導入していました。 当時は管理の簡素化を狙っていましたが、約3年が経過する中でシステムの追加が重なり、2014年の夏ごろから高額な維持費用と管理の煩雑さが問題視され始めました。人事・経理・総務を中心とした事務機能と営業部門のサポートを行うコーポレートサービス部の小林真氏は「管理のための管理が複雑になり、セキュリティのために苦しめられている状況に陥っていた」と話します。

特に、さまざまなサービスのIDとパスワードの管理が大きな負担でした。社員1人あたりのデバイスの増加も相まって、小林氏たちが管理するIDとパスワードの数は増加し続け、その数は社員数の約4倍(2015年3月時点)になってしまいました。ブラウザ上での操作が可能で、完全Webを掲げる「GRANDIT」は、比較的運用コストの少ないものでしたが、稼働環境のWindows Server 2003のサポートが2015年7月に終了するため、刷新に迫られていました。

加えて、機器の老朽化による社内サーバーバックアップ作業の不具合も顕在化し始めたところでした。新年度が始まる2015年4月には、同社の全体会議で、諏訪和由社長が「生産性の向上をゴールにして社内全体を見直そう」と、ワークスタイルの変革を行うことを宣言。そこで、緊急性も重なり、基幹システムである「GRANDIT」が最初の改革ステップの対象とされ、エヌジーシーでは、会社全体の生産性の向上を狙うための効率化を目指すこととなりました。

GRANDITおよび日商エレクトロニクスを選んだ理由

Microsoft製品との親和性が決め手、GRANDITのカスタマイズとAzure移行を一挙に実現

「GRANDIT」の移行についてエヌジーシー様から相談を受けた日商エレクトロニクスは、今後のITインフラ全体を見据え、パブリッククラウド上でのGRANDIT稼働を提案致しました。
総合的なコスト軽減を目指すエヌジーシー様の目的を考慮すると、パブリッククラウドの初期費用が少ないという点は大きなメリットでした。

さらに、バックアップ機器に不具合が出始めていた点やシステム管理専従者がいない点も、パブリッククラウドの導入によって業務効率の改善が期待できる点でした。
また、GRANDITはMicrosoft製のデータベースを使用しているため、Azure上で稼働した場合には、エヌジーシーで導入しているOffice 365やActive DirectoryのようなMicrosoft サービスとの連携も容易で、運用時の業務効率改善が見込めました。

そこで日商エレクトロニクスは、従来のActive Directoryと連携できるAzure Active Directoryを活用した上で、元来Windows Server 2003対 応 だ っ たGRANDIT1.4.2.(エヌジーシー様の使用するバージョン)のカスタマイズを、クラウド基盤であるAzureへの移行と合わせて実施することにしました。
このため、アプリケーションとクラウド基盤の移行を分けて対応する必要がなくなり、工期の短縮とコスト削減につながる計画ができあがりました。

導入時に苦労したこと

パブリッククラウド化に抵抗感を持っていた社員も

エヌジーシーが「GRANDIT」を社内サーバーで運用していたのは、扱う情報が経理情報や社員の個人情報など機密性の高いものが多く、社内で管理したいという意向が強かったためでした。
クラウド化に抵抗を持つ社員も多かったとのこと。
「社内サーバーでの運用に安心感を得ていたのかもしれません」(小林氏)。 日商エレクトロニクスの提案を受け、コーポレートサービス部は、日本マイクロソフトのオフィスを見学するなど、専門的なセキュリティ対策の下で定期的にバックアップを取ることができる点について情報の収集・発信を行いました。

同部の松永みき氏は「弊社はWindowsプラットフォームで稼働するアプリケーションが多く、Azureに実装すれば今後のOSのサポートやバージョン管理の問題を回避し、Azure Active Directoryを利用して複雑になったID・パスワード、デバイス管理を一元化することができる」と利点を説明しました。

こうして、当初抵抗感の残っていたエヌジーシーでは、徐々に「GRANDIT」とAzureを合わせて刷新した時の業務効率化が理解されていき、日本初のAzure上での「GRANDIT」稼働に踏み出すことが決まりました。

導入後の姿

基幹システムのAzureへの移行が決定すると、ほかのシステムにも影響が波及していきました。
エヌジーシー社内で、クラウド移行後のレスポンス悪化を不安視する声があったことを受け、日商エレクトロニクス側でパフォーマンス検証を行いました。
パフォーマンス検証は、日商エレクトロニクスが株式会社エヌジーシーと同じシステム・データを使ってテスト環境を構築したものでした。また、回線の変更を行った結果、費用は3分の1で速度は20倍になるという飛躍的な改善につながり、社内サーバーで「GRANDIT」を運用するのと変わらないレスポンスを得ることができました。

今後の展望

この結果を受け「GRANDIT」のAzure上での稼働を前に、エヌジーシーからは「クラウドへの理解が深まったので、ほかのファイルサーバーなども順次Azureへの移行を進めていきたい」(松永氏)という要望も出てきています。

特に、すでに導入が済んでいるOffice 365については、今後はウェブベースでドキュメント管理可能なSharePointや、在席状況を細かく確認できるSkype for Businessなど、より幅広い活用を行う予定です。

松永氏は今後について、目標としている生産性の向上にとどまらず、「幅広くクラウドの可能性を検討していきたい」と話しています。

 

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