GRANDIT導入事例 株式会社マツオカコーポレーション様

SCMシステムと経理システムを統合し、生産効率の向上と経営情報の「可視化」を実現

事例概要

マツオカコーポレーション様では急速にビジネスが拡大していく中で純国産ERPパッケージ「GRANDIT」を導入し、基幹システムを刷新。
SCMシステムと経理システムを統合し、生産効率の向上と経営管理情報の「見える化」と「業務効率向上」を実現しました。

※SCM=サプライチェーンマネジメント

Before/After

課題/目的

  • SCMをサポートするシステムの実現
  • SCMと債権債務・経理システムの統合
  • データ入力作業の負担軽減
  • リアルタイムで正確な経営管理情報の提供
旧JSRトレーディング株式会社様GRANDIT導入時の課題と目的

効果

  • 正確な経営情報のリアルタイムでの把握
  • 経営判断のスピードアップ
  • 業務効率の向上

企業情報

マツオカコーポレーション様GRANDIT導入事例

マツオカコーポレーション様はメンズ・レディースのフォーマル、カジュアルからデニム、スポーツ、ワークウエアの領域まで、あらゆる縫製を手掛けるOEM専業の総合アパレルメーカー。年間取り扱い点数は1300万点におよび、関連会社も含め中国を中心に海外15カ所へ工場を展開しています。

企業名株式会社マツオカコーポレーション
HPhttps://www.matuoka.co.jp/
所在地広島県福山市宝町4-14(本社)
業種・業界製造業(アパレル)
事業内容メンズ・レディースのフォーマルウェアからカジュアルウェア、スポーツウェア、ユニフォームウェアまでの縫製、洗い加工、生地開発と生産、及び貿易業務
導入モジュール債権、債務、経理

課題

急速に拡大するビジネスへ対応するためにはSCMをサポートするシステムの実現が重要

基幹システム刷新にいたる経緯について、株式会社マツオカコーポレーション 経営企画室長 取締役 岡田智明氏に伺いました。

「基幹システムの再構築を検討開始した2005年頃、おかげさまで当社のビジネスは急速に拡大している最中でした。当時、生産・物流体制を効率化し、高品質な商品を低コストで提供できる体制を維持していくためには、企画から、受注、資材調達、生産、納品まで、すべての段階における資材の調達状況や生産の進捗状況、そして在庫情報をリアルタイムで管理できる、いわゆるSCMをサポートするシステムの実現が重要だと考えていました。
とはいえ、現在のようにSCMシステムと債権債務・経理システムが統合された姿を最初からイメージしていたわけではなく、新たに構築するSCMシステムからそれまで利用していた経理システムへとデータのやり取りができればいいという程度ではありました。」

精ちな経営管理情報をリアルタイムかつ明確に把握できる体制構築が急務

– なぜSCMと債権債務・経理システムを統合するという結論になったのですか。

「当時、システム導入のコンサルティングをお願いしていた方から、『そのようなシステムでは、燃料計も、スピードメーターも、カーナビも、搭載していない車で走っているのと同じで、いくらスピードの出るエンジン(SCM)を導入しても、現在、どのくらいの速度で、どこを走っていて、いつまで走れるのかわからないまま、会社を経営しているようなものです。』とアドバイスを受けたことを今でも思い出します。
もちろん、この言葉がすべてではありませんが、さらにビジネスを拡大させながら、生産・流通のスピードアップと効率化、そして精度向上を実現するためには、精ちな経営管理情報をリアルタイムかつ明確に把握できる体制を早い段階で構築しておく必要があるのは間違いありませんので、『GRANDIT』で基幹システムを再構築することにしました。」

手作業によるデータ移し換え必須のため、操作ミスも発生しかねない状況

「GRANDIT」を導入する前の状況について、同社 経理課 白木裕之氏はこう話します。

「生産や流通など社内から上がってきた数字を取りまとめ、会計システムにデータを移し換えていました。
今考えると、その作業だけでもかなり面倒だったのですが、以前のやり方では、データが二重入力される可能性もあり、データのチェックも必須で、それぞれの作業を表計算ソフトウエアで行っていましたので、操作ミスなども発生しかねない状況でした。
当然、リアルタイムで正確な経営管理情報を提供するのは難しい状況でした。」

マツオカコーポレーション様GRANDIT導入事例

GRANDITを選んだ理由

マツオカコーポレーション様の基幹システム構築における主な要件は下記の4点であり、これらの要件に適していた「GRANDIT」が採用されました。
各要件について岡田氏と白木氏に詳しく伺いました。

(1)当社のビジネスモデルに合わせて、SCMシステムを構築できること
(2)グローバルに展開する当社工場の情報をリアルタイムで把握できること
(3)日本の商取引が会計に連動し、外貨建取引も並列的に管理できること
(4)拡張性と信頼性に優れ、使いやすいシステムであること

(1)ビジネスモデルに合わせて、SCMシステムを構築できる

「SCMシステムを導入することで、ムリ、ムダ、ムラをなくし、市場ニーズへと迅速かつ柔軟に対応できる体制の実現することが、最重要課題でした。
『GRANDIT』はERPパッケージソフトウエアということですが、当社の場合は、『GRANDIT』をベースにSCMシステムをアドオンとして開発したと聞いています。
債権債務経理システムとSCMシステムの統合はもちろん、EDI(電子データ交換)を介した工場の生産管理システムとの連携をはじめ、自動倉庫システムやハンガーシステムとも連携させることで、効率的なSCMを構築でき、とても満足しています。」(岡田氏)

(2)グローバルに展開する当社工場の情報をリアルタイムで把握できる

「SCMを導入する目的の一つですが、システムのインフラストラクチャという視点で考えたとき、すべての工場が海外にある当社の場合は、インターネットさえ接続できれば、どこでも利用できる完全なWeb-ERPというのは、メリットが大きいです。
当然、各拠点にサーバーを設置する必要もありませんし、クライアントソフトウエアのバージョンアップなどによる現地の作業も不要となりますので。」(白木氏)

(3)日本の商取引が会計に連動し、外貨建取引が並列的に管理できる


「当社は海外で生産した商品を国内に持ち込みますので、円貨での管理は当然ですが、附属明細表などを考慮すると『外貨建』機能を標準でサポートしているというのは、とても魅力的で欠かせない必須条件でした。
また、『日本の商取引が会計に連動する』ことは、基幹システムと会計システムが相互連携するということです。
さらに、『GRANDITを導入するのであれば、会計機能はカスタマイズせず、そのまま利用するように』と、監査法人の方からアドバイスを受け、それがこのGRANDITに決定する大きな要素になりました。
なぜなら『GRANDIT』には、会計システムに関する内部統制のフレームワーク(規定や規格)、あるべき仕組みが反映されているので、システムに手を加えずに使用すれば、それで会計システムに関しては内部統制を整備していることになるからです。」(岡田氏) 

(4)拡張性と信頼性に優れ、使いやすいシステム

「『GRANDIT』はオープンな技術(ASP.NET、Microsoft SQL Server)を用いて開発されているので、当社のSCMシステムを新規開発したように、今後、機能の拡張やカスタマイズが必要な場合でも容易です。
また操作性に関しても、『GRANDIT』は完全Web対応ということで、メンテナンスも容易で、Webブラウザだけで簡単に操作できる、という点です。」

導入後の姿 

リアルタイムで経営情報を確認できるようになったことで、経営判断ならびに現場対応ともにスピードアップを実現

「GRANDIT」を導入したことによる効果について伺いました。

「基本的には当初の狙い通り、SCMが効率化され、データの整合性も取れるようになり、正確な経営情報をリアルタイムで確認できるようになりました。」(岡田氏)

「詳細な情報はレポートでまとめていますが、PCの画面からさまざまな切り口で情報を分析できるので、経営判断をスピードアップできただけでなく、その結果を見ながら、各部署もスピーディーな対応ができるようになりました。」
(白木氏)

現場から「業務の効率が上がった」「仕事がやりやすくなった」の声

現場における導入後の反応について、岡田氏、白木氏は次のように語ります。

「導入当初は、『前のシステムの方がよかった』『経理が楽になっただけでは?』『システムのために仕事をしているわけではない』といった声も聞かれました。
これは、慣れ親しんできた仕事のやり方が変われば、ある意味、当然の反応でした。あるべき手順で仕事を進めなければならなくなったので、これまでやらなくて済んでいたことも、対応しなければならなくなったわけですから。
しかし、導入してしばらくたつと、そのような声は少なくなり、むしろ『業務の効率が上がった』『仕事がやりやすくなった』という声が聞かれるようになりました。
システムに慣れたとも言えますが、自分たちのしている作業が、結果として見えるようになったからだと思います。」(白木氏)

「経営者側も、現場に対しては、いきなり運用ルールなどで縛るのではなく、まずはとにかく使って慣れてほしいということを伝えました。
ビジネスが拡大していく中で、生産性を向上させ、さらに利益を上げていくためには、これまでのやり方では通用しなくなるときがくるかもしれない。そのときに慌てるのではなく、今から準備をしておこうと。
少し時間はかかったかもしれませんが、その成果は着実に出ていると思います。」(岡田氏)

GRANDITならびに日商エレクトロニクス(現、双日テックイノベーション)への評価

「御社には、基幹システムの再構築にあたり、ご協力いただき、とても感謝しております。
また、GRANDITのような国産のERPソフトウエアというのは意外に珍しいということなので、ぜひ、がんばっていただければと思います。」(岡田氏)

「仕様上の要望は、システムの構築時にいろいろとお願いして、可能な部分に関してはほとんど対応していただきました。細かい部分では、もっとこんな風に操作できれば便利だと思う部分もありますので、今後、改善されていくことを期待しています。」(白木氏) 

その他

今後のご予定についてお伺いしました。

「今後システムの大きな変更や拡張の予定はありませんが、システムの適用範囲をすべての関連会社に拡げていく予定です。」(岡田氏)

 

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※本記載の情報は取材時のものであり、閲覧される時点では変更されている場合があることをご了承ください。