「輸入業務の統制強化事例 ~Excel管理からの脱却~」(GRANDIT DAYS LIVE 2020登壇レポート)

2020年11月19日(木) GRANDIT DAYS LIVE 2020にて当社庄野が「輸入業務の統制強化事例 ~Excel管理からの脱却~」を講演いたしました。

当イベントはGRANDITコンソーシアムが毎年開催をしているビジネスイベントで、今年はオンラインでの開催となりました。

昨今の事業環境の変化が見通しづらい状況下において、企業は既存のビジネスモデルや経営モデルの枠組みを超えた活動を行うことが求められています。AIやIoTなどといったデジタル技術も更に進化し、今までの業務を単にデジタル化するだけでなく、ニューノーマル時代に適応するためのビジネス変革が必要とされています。

当社は総合商社 双日の情報子会社であることを活かし、これまで商社・貿易会社様向けに、各企業の特殊な業務形態に合わせた提案とアドオン開発を行って参りました。

本イベントでは、ニューノーマル時代のERPとして、当社が考える「昨今のERPに求められているものは何か」を説明しました。また、当社のお客様である商社・貿易会社様が持つシステム化・統制面の課題と、どのように解決したかの事例をご紹介しました。

■基幹システムのリプレイス需要が上がっている

2018年に経済産業省が発表したDXレポート内で提言された「2025年の崖」で、システムの老朽化や人材不足などの問題によって、年間12兆円の経済損失が発生する可能性があると予測されています。

同レポート内で提案されたDXをもとに各企業は対策を進めてきましたが、このコロナ禍により、多くの企業で事業継続上の懸念が発生したこと、新しい働き方へ対応する必要がでてきました。

そうした背景の中、今後求められるERPの姿は「ビジネス環境の変化に対応するフレキシビリティを持つERP」であると当社は考えています。

■フレキシビリティのあるERPとはなにか

基幹システムは通常、5年間のビジネスを想定して構築されているケースが多く、そのままでは昨今のビジネス情勢の変化速度に対応しきれないため、ビジネスの変化スピードに対応できるフレキシビリティが必要だと考えています。

例えば、5か年計画をもとにERPを導入したものの、2,3年後に特定の事業へのニーズが爆発的に増えたり、M&Aによって事業が増加したことで機能の追加の必要性が発生したりといったケースが昨今では目立ってきています。

システムの改修には、RPA導入による業務の自動化や、業界専用パッケージの短期導入、スクラッチ開発、ERPへの追加改修といった方法があります。

しかし、ERP自体の改修が不可能であったり、ブラックボックスであったりする場合、多大な工数と多額のコストが必要となるなど、多くの制約が存在してします。そうなればシステムが乱立し、データが分散してしまうため、「一つのDBに情報が重複なく正確に集約されていること」、「二重入力が行われないこと」、というERPの全体最適の価値が減少してしまいます。

そのため、ニューノーマル時代のERPは、「ビジネス環境の変化に対応するフレキシビリティを持つERP」でなければなりません。

■ニューノーマル時代のERPにはフレキシビリティの高いGRANDIT

GRANDITはグループ会社での利用を想定して開発された国産のERPパッケージです。多業種かつ多業務に対応できる機能を保有しており、法改正への対応はもちろん、ユーザーの要望を標準機能として追加されています。また、アドオン開発によってできたテンプレートの提供も行っています。

特徴は、完全WEBブラウザベースであること、小規模から大規模企業まで利用できる汎用性を持っていること、BI、ワークフローなどの周辺機能を網羅したオールインワンERPであること、コンソーシアムで開発・運用が行われていることの4点が挙げられます。

エンドユーザーに対してDBテーブルを公開可能な契約が用意されており、さらにソースコードの買い取りが可能な契約が用意されているため、システムの透明性が高く、安心して利用できる点が評価され、昨今、ERP市場での評価が高まっています。

■商社・貿易会社の業務を標準化することは難しいが問題の発生につながる可能性

輸出入業務のすべてをシステム化している企業はほとんどありません。

それは、取引形態(輸出・輸入・三国間)の多さや、商品毎に異なる管理項目や手続きによって、業務プロセスの標準化が難しく、システム化しにくいためです。一般的なERP標準機能では機能が不足しており、業務にあわせることが困難なため、費用対効果の面で導入が見送られるケースが多々あります。

しかし、システム化を見送り続ければ、不正や誤謬が発生しやすい状況に陥り、また、必要なデータをリアルタイムで確認できません。その結果、インシデントやクレームの発生につながるリスクが高まり、採算が見えないという状態を引き起こしてしまうことになります。

■商社・貿易会社における事例のご紹介

ここでは与信管理・輸入船積み業務・口銭管理の事例をご紹介します。

<与信管理>

与信管理規定はあるものの、実務ではリアルタイムで与信の使用額が把握できず、超過や期限切れが発生していました。また、買いの与信や在庫の与信管理を行いたいといった要望を抱えていました。

与信管理のシステム化によって、集計の手間をなくし、リアルタイムで使用額が確認でき、必要に応じてアラートを出せるようになりました。結果、統制が管理され、適切なリスク管理ができるようになりました。

商社・貿易会社にとって重要なロング・発注残のリスク管理や、倉庫の預託在庫のリスク管理ができるようになったため、利益の確保につながりました。

<輸入船積み業務>

輸入船積み業務をエクセルで管理しており、発注・仕入のシステムと連携されていませんでした。

そのため、取引の状況を毎回担当者に確認する必要があり、また、システムの仕組み上、承認行為がなくても処理を進めることができてしまう状態でした。

システム化によって、輸送単位での手続き状況の確認や、納期予定の管理をリアルタイムで確認できるようになり、手続き漏れなどの事故が減少しました。また、ワークフローや業務システムとの連携によって、正しい手続きと、二重登録をなくし、運賃などの費用発生に対応できるようになりました。

<口銭管理>

担当者が毎月、海外現地法人へ支払うべき口銭金額を業務システムから出力し、Excelマクロで集計・算出して業務システムへ登録していましたが、負担が大きく、誤操作によるデータ損失事故が発生していました。

システム化によって、Excelマクロの管理と手作業入力の必要がなくなり、さらにはシステム上で口銭金額の調整を行えるようになったため、データの精度がアップしました。

■まとめ

現在、ビジネスの質・量が変化し、また、新たなビジネスモデルが加わるスピードが上がっているため、システムもそれに早く追随する必要があります。対応方法は様々ですが、ERPで全体最適を狙う場合にはERPのフレキシビリティが重要になります。

業務のシステム化によって、統制面の強化や、コストの見える化、レスポンス改善のような「付随する効果」も狙えます。

当社は、これまでの導入実績やノウハウを活かし、今後も商社・貿易会社様の課題解決のお手伝いをしたいと考えております。

当社ではGRANDIT少人数オンラインセミナーを毎月無料で開催しております。講師、コンサルタントが対話形式で丁寧に対応いたしますので、初めてERPを検討する方も是非お気軽にご参加ください。

<GRANDIT少人数オンラインセミナー>
https://erp-jirei.jp/category/seminar/

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