国内と世界のERP市場シェアは混沌。利用者に合わせて多種多様なERPが選ばれる時代へ

「Top 10 ERP Software Vendors and Market Forecast 2017-2022」が発表されている。

引用:https://www.appsruntheworld.com/top-10-erp-software-vendors-and-market-forecast/

この表を一言でいえば、トップ10のERPの合計シェアが約1/3であり、その他が2/3ということだ。元SAPの社員であり、マーケティングと営業を担当していた経験でいえば、もっとSAPのシェアが多く、圧倒的なイメージがあった。しかし、今回のデータでは、イメージとはかなり違う。ちなみに日本市場はどうかというと以下である。

国内ERM市場ベンダー別 売上額シェア実績、2018年(出典:IDC Japan)
引用:https://japan.zdnet.com/article/35141851/

こちらもその他が40%を占める状況である。トップはSAPだ。

SAPはベストプラクティスが強みの世界で一番シェアを持つERPではある。ベストプラクティスはほぼノンカスタマイズで使ってこそ、ベストプラクティスの良さが出るというものだ。しかし、日本のSAPユーザの傾向としてアドオンを多用した構築をしていることがある。そのようなお客様は膨大なアドオンのバージョンアップ費用がばかにならず、投資してきた莫大な費用により捨てることも厳しく、ベンダーロックインされている会社もある一定数存在している。

例えば商社であった場合、国際会計に対応しなければいけないが、日本にも拠点があるため、国内会計への対応も必要である。また日本独自の法制もあるため、日本の企業は日本のERPを採用した方がカスタマイズも少なく済み、結果的に低コストで、より自社にフィットしたERPを使えるのではないかと思う。

もちろんお客様によって、どのERPが適しているかというのはまちまちではあるが、時代が変わったと思うのである。いまから10年20年前の時代では、ERPと言えば、先駆者であるSAP一択の時代があった。その後競合の製品も進化し、機能面の差がかなり亡くなったように思えるのだ。いかがだろうか?

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