クラウドERPに向けた「GRANDIT」の取り組み(GRANDIT 高橋昇氏の「レガシーERP」からの脱却第9回)

■企業を取り巻く課題とデジタルイノベーションに対する期待

今までのコラム連載の中でもお話してきたとおり、ビジネス環境が大きく変化する中、企業は多くの課題を抱えており、それを解決する手段としての「デジタルイノベーション」が期待されています。

経済産業省発行のD X レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(平成30年9月7日)でも「2025年の崖」として、多くの経営者が抱えている、新たなデジタル技術を活用した新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性とその課題があげられています。

【DXに向けた企業を取り巻く問題】

  • 既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができない
  • 過剰なカスタマイズなどにより、システムが複雑化・ブラックボックス化している
  • 今のユーザーはシステムありきで業務を行っており、従来のような要件定義は困難
  • 大規模なシステム開発を行ってきた人材の退職等によるノウハウの喪失が加速

このように、経営者がDXを望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決や業務自体の見直しも求められる、いかにこれを実行するかが課題となっている。レポートでは、この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)とまとめられています。

【デジタルイノベーションに期待しているもの】

  • 生産性向上による人手不足の解消やコスト削減の実現
  • モノ・サービスの高度化(機能拡充・品質)
  • ノウハウ継承短期化と人材の即戦力化
  • バリューチェーンの最適化(連携性向上)
  • 異業種連携による新しい取り組み
  • ビジネスモデルの破壊と想像

こういったなか、その解決策をIT活用によるイノベーション「デジタルイノベーションに求める声が高まっており、クラウドやAI、ロボット、IoTといった、新しい技術の活用が期待されています。

 元々、企業の基幹システムは、「バラバラな業務システムの寄せ集め」から統合された「ERPシステム」へと発展してきました。今後はデジタル革新とクラウド時代に対応した「次世代ERPシステム」へと進化。コスト削減や効率化に加えて事業支援にも役立つ「稼ぐERP」が求められているといえます。

出所:株式会社フロンティアワン 鍋野 敬一郎氏
「GRANDIT パートナー会 2018」講演資料より

■クラウド/オンプレミス対応型ERP

現在の企業のITインフラ戦略はクラウド/オンプレミスと多様化しています。

それは、法改正などが多いコア業務はパッケージやサービスをベースにノンカスタマイズで利用したい部分と、一方で自社の競争力の源泉となる販売管理や生産管理システムなど、いままでフルスクラッチで開発していたシステムはそのままの機能を利用。そしてSFAやCRMなどの新たなサービスについては、クラウド提供されているものを利用したいといったような企業の戦略自体が様々だからだと思います。

 GRANDITはこのような様々なお客様の声に対応すべく、オンプレミス/クラウドを対立軸で捉えず全てのインフラ領域をサポート。

 今後はERPと接続可能な様々なクラウドサービスとの連携を拡充することで、これからの企業が求めるデジタルイノベーションの実現を支援する、「進化系ERP」として成長を続けていきます。

■サブスクリプション型のライセンス提供に対応

加えて、Azure、AWSを始めとする従量課金型のIaaS環境を選択するお客様が増えていく中、従来のオンプレミス型のライセンス提供に加え、お客様の利用状況に応じてライセンス利用料を見直しが可能なサブスクリプション形式のライセンス提供をご用意しました。

また、ERPのクラウド導入にあたってはGRANDITコンソーシアムを代表するクラウドインテグレーター各社が、GRANDITの運用に最適なマネージド・サービスを合わせてご提供することで 、安心して利用できる「ERPのクラウド導入」 をご支援しています。


高橋 昇 プロフィール
GRANDIT株式会社 マーケティング室 室長

1985年 総合商社系情報システム会社(現インフォコム株式会社)へ入社。商社向けシステム開発部門に所属し、繊維・化学品・食品関係などのシステム開発やC/S・WEBシステム、ミドルウェアなどのアーキテクチャー選定・導入を担当。2003年10月 インフォベック株式会社(現GRANDIT株式会社)にて、次世代ERPコンソーシアムによるERP「GRANDIT」の開発に立ち上げ当初より参画。パートナー営業・製品開発の責任者としてERPシステムの提案活動・導入支援に従事。2018年よりマーケティング室 室長として、営業・製品開発をあわせたマーケティング施策の企画立案とプロモーション全般の責任者を担当。 GRANDIT公式サイトはこちら



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